ミスも味わいに 88歳元教員が暗譜で挑む「トチリコンサート」
軽やかなショパンの調べにじっと耳を澄ませた。たま~にミスタッチがあるが、不思議と気にならない。聴いていると、いつの間にか曲のリズムが心に刻まれ、ひとつの味わいとして受け止めてしまう。
弾き手は北海道釧路市の元音楽教員、本谷則夫さん(88)。現在はトチリ(間違い、失敗)もエッセンスに加えたユニークなコンサートを市内で開いている。【聞き手・平山公崇】
でも、新型コロナウイルスの感染拡大で外出ができなくなった時期がありましたよね。じゃあ、家で何をしようか――。そこで、「ピアノだ!」と思い立ちました。2021年のことです。すぐに中古のグランドピアノを買いましたよ。
しかし、昔のようにはいきません。何小節か覚えようとしてもピン、ピン、ピンと覚えられない。「わー、俺の記憶力、こんなにボロクソになったんだ」と悲しくなりました。でも、根気よく続けるという気持ちは残っていました。
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